【建築設計部門 公共施設】

高知城歴史博物館


 高知城歴史博物館は、高知県が所有する山内家の貴重な歴史資料や美術工芸品を後世に長く伝えるための博物館です。資料の保存・継承、学術研究の推進、展示公開による情報の発信、地域振興や観光推進などへの寄与を目的に計画、建設されました。
計画地は高知城の正面で追手門に対面した位置にあり、高知城周辺の歴史的景観との調和を図りながら、大切な資料を後世に確実に引き継ぐ安心感を持ち、かつ高知城下にある博物館として、相応しい品格と質実を併せ持つ建築が望まれました。
大工、表具師、指物師、板金、瓦師、石工など高知県内の職方たちの熱い思いが高知城歴史博物館の風格を醸し出し、現代の城として、高知城に調和し寄り添います。高知城歴史博物館には土佐に蓄積されてきた知恵と工夫が生かされています。

■受賞
・第12回日本漆喰協会作品賞      (2017年)
・日本建築家協会 優秀建築選2017  (2017年)
・日本建築学会作品選集        (2018年)
・照明学会 照明普及賞『優秀施設賞』 (2018年)
・第59回BCS賞           (2018年)
 外観
瓦、土佐漆喰、石垣との伝統的な佇まいとしながらも、菱形カーテンウォールや屋根、外壁にチタン亜鉛合金板を採用し、現代性も追求しました。
内観
土佐の恵みである桧・杉、土佐漆喰、土佐打刃物、土佐和紙の伝統的素材を多用しました。